Gris vert
現在サイトの更新は『GV+』(イラスト投稿用ブログ)の方が中心になります。
気付いた。
- 2012/09/03 (Mon)
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前回に引き続きティキラビその3になります。
おかしい。5にはならないって言った直後なのに怪しくなってきた。展開も予定の斜め上へ。
もう何も言わない。
その3です。
前の話を読み直してないのでそろそろ矛盾が出てきそうです(頑張れよ)
「少年さ、可愛いね。名前。"ラビ"ってゆーの?」
ポケットの中からタバコを探し出し火を点け、煙を吐くのと一緒に聞いてみれば先を歩いていた"ラビ"は、ぐるっと振り返りわなわなと肩を震わせていた。
何の気なしに聞いた事に過剰に反応されつられて驚いた。
「くっそ!こんな事になんなら前の名前の時名乗っとけば良かったあんのくっそじじい……っ!!」
終いには頭を掻きむしりうぎゃー!と奇声を発し始めた。
展開に着いて行けず、人目もあるので声を掛けようか迷っていると再びラビが勢いよく振り向いた。
「偽名だから!!」
「……は?」
「名前は無いって言ったろ。今は仕事毎に名前変えて名乗ってるんさ。」
「へぇー。」
「だから"ラビ"はこの仕事が終わるまでの仮の名前さ。」
脇に抱えていたマフラーを引っ張り出し首に巻きながら答えるラビを見てあれ、と思う。
「コート着ないの?」
「………もうちょい。人通りが減ったら、着る。」
ティキにはその意味が解らなかったが差して気にしなかった。
それよりも、もう町の外れまで来ている。何処へ向かっているのかと言う事の方が気になっていた。
村の外れに作られた墓地に出る。このまま進むと墓地を抜け、その先は深い森になっているのだが。
どうやらラビはその森を目指しどんどん進んで行く。
「…アンタさ。一応戦場慣れてんだよな?」
記録の為、戦地へ向かう先々で遭遇するので一度聞いてみたことがある。アンタも戦に関わる人間か、と。
傭兵には見えないが戦場で稼ぐ類いの商売でもしているのかと思ったのだ。
ティキは「まあ、そんなようなもんだな。」と笑っていた。
「ん?そうね、まあまあ。」
「なら、これから戦闘になるかもしんねー。そうなったらオレの言うこと聞けよ。」
「は?戦闘!?」
「声落とせ。極力そうならんように気を付けるさ。」
「えー、お前どんな仕事よソレ。」
「シッ」
ラビがティキの前へ腕を突き出し制止をかけた。
ラビの視線の先を追うと、少し先は木が焼き焦げたようになりその奥には草木はなく何かが墜ちたようにクレーター状に穴が開いている。
「ティキ。」
ぽいっとラビが何時も着けていたバンダナをポケットから出しティキへ放った。
今はティキが見たことの無い新しいバンドを着けている。
「それで念の為口元覆っといてさ。ちょっと見て来っからそこ動かんで。」
ティキは言われて漸く辺りに漂う嗅ぎ慣れた臭いに気付く。
「ラビ、」
「ダイジョブさ。これが仕事。」
ラビはにこ、と笑い抱えていた黒いコートを羽織りクレーターの方へ近付いて行った。
そっとクレーターの中を覗き見る。
心配していたものは見当たらず、ほっと胸を撫で下ろす。
クレーターの中心にはアクマの残骸のみだ。
森を抜けた先の隣町で任務中、調査の為先に来ていたファインダーの一人がアクマになっていた。
それに気付かずイノセンスを回収し、油断していた所に十数体のアクマに囲まれ攻撃を受けた。
混乱の中、仲間だったアクマを破壊しファインダー二人を連れてあの町へ駆け込んだのだが、ブックマンとは其処で連絡が途絶えはぐれてしまった。
この場所で戦っていたのなら近くの町に気付き向かったかもしれない。
町に入ったならブックマンが報告を入れているだろう、戻って本部に連絡してみようかと考えているといつの間にかティキが横に立っていた。
「……じいさんは、無事?」
「…多分。あんま見ない方がいい。ガスも薄くなってっけど一般人にはキツいさ?」
ティキは感情の無い表情でラビを見る。何時会っても大体へらへらしているので見たことがない顔に、まるで知らない人間のように思えて緊張が走る。
固まっているラビのコートの左胸を覆うマフラーを摘まんで肩に掛けてやると、今まで隠れて見えなかったローズクロスが現れた。
(………ロングコートじゃねぇし)
がくり、としゃがみこむティキにラビは狼狽える。
一方ティキは今まで記憶していた敵の特徴とかけ離れた団服に気付かず油断していた自分に頭を抱えた。
よく見れば少なからず似た装飾がされていると言うのに。
「だ、大丈夫か!?すぐ町に……」
「お前等…ブックマン、なんじゃねぇの。」
ラビは一瞬何を言われたか理解出来なかった。
この男からその言葉が出るなんて予想もしていなかったのだ。
しかし、今確かに"ブックマン"と言わなかったか。
ラビはそれをティキに明かしたことはない。と脳が理解するのと同時に飛び退きティキから距離を取る。
まだ与えられたばかりの武器を発動させたのは殆んど無意識だった。
ティキはラビの手にした武器を見て額を押さえる。イノセンス、と言うことは。
「…まじか。」
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ちょっと突っ込みどころ満載なんですが(あ、いつもでしたね!)
確認修正する元気が……。
今必死で現実逃避するための投稿なんで、終わって落ち着いたらちゃんと直す(そのあと投稿したらいい)
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