Gris vert
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SH小話
- 2012/05/11 (Fri)
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何か小話メインみたいになってきちゃいましたが、イラストサイトだと言い張ります。
文章書くのは本当、得意じゃないので……。
ただ、移動中とかでも書けるのでつい……。
最近あんまり調子良くないのですが、盗賊と将国とスマサニによってなんとか生きる気力を貰っています。
いっそ今すぐ仕事やめた方が良いかもしれないくらい調子悪い……。どうしよう…。
さて、ろまんがと自分設定いろいろごたまぜ学パロ盗賊です。
学園祭に向けて劇の準備をしましょうって感じで。
「イヴェール君、王子様やったら?」
それはクラスの女子の一言から始まった。
今、学校は学園祭に向けての準備で賑やかだ。
イヴェールとローランサンのクラスでは劇をやることになっていた。
劇なんて面倒だと男子の大半は話し合いにも興味無さげで、なかなか役割が決まらない。
ローランサンもその一人で早々昼寝をはじめてしまい、イヴェールも裏方で楽な仕事なら何でもいいやとぼんやりしていたところに上の発言である。
イヴェールの隣の席のモニカだ。
クラスの中では一人で居ることが多く、イヴェールも積極的に人付き合いをしないのでもうすぐ夏休みだと言うのに殆んどのクラスメイトとはまともに話したことが無い。
そんなイヴェールに敢えて話しかけてくるのはローランサンくらいで、まさか劇で役を、ましてや主役をやれだなんて言われるとは全く予想していなくてぽかんとモニカを見つめてしまった。
「やー……イヴェールは王子っていうかな。」
「むしろお姫様だよな。」
小声だがしっかりと聞こえている。中性的な顔立ちに体つきが華奢なせいか昔から女のようだとからかわれてきた。
だから出来る限り目立たないよう大人しくしていたし、顔を隠すように前髪も伸ばしていた。
人前に出てまたからかいの種にされるなんてごめんだと断ろうとするが、女子達が急に騒がしくなった。
「私、お姫様なイヴェール君見たいかも。」
「えー、王子様良いかもよ?」
「ね。お姫様だと…なんかまんまな気がするし。」
(誰だ、今の発言は……。)
それより今はこの流れを何とかしないと……。
「あの、僕は……。」
「イヴェール君さ。髪が長くて顔が見えにくいから余計中性的に見えるんだよね。」
「え?」
モニカが顔を覗き込んでくる。
「前髪上げて、ちゃんと顔見せれば似合うと思うよ王子様。」
せっかくのお祭り事なんだから、思いっきり参加した方が楽しいよきっと。
とモニカに笑顔で言われて、さらに乗り気になってしまった女子達の勢いに断りきれず
「……ローランサンも一緒なら。」
と、一人夢の中の薄情な友人を巻き添えに王子役を引き受けた。
***********
「イヴェール君すっごい似合う!!」
「かっこいいー!!」
教室の一角で歓声が上がるその中心は王子の衣装を身に纏ったイヴェールだ。
「そう?ありがとう。」
にこ、と笑って見せるときゃあきゃあと女の子達は騒ぐ。
「随分楽しそうね。もっと嫌がるかと思った。」
そう言うのはイヴェールが王子をやることになった発端のモニカ。
「実はこうゆうイベントってまともに参加したこと無かったから、思った以上に楽しい。」
「それは良かった。」
王子側の和やかな雰囲気の一方、向かい側でも行われている衣装合わせのグループは穏やかじゃなかった。
「ふっざけんな……!勝手に決めんなよ!!」
「寝てたお前が悪い。」
「うっ、でもこれはねぇだろ!?イヴェールにやらせろよ!!」
「その問答はもう終わったから。」
劇の配役が決まり、衣装合わせが始まった途端ローランサンが騒ぎ出した。
無理もない。話し合い中全く起きる様子がないローランサンに勝手に役を当てて、本人は衣装を渡され今それを知ったのだ。
ローランサンが渡されたのはドレスだ。
王子役のイヴェールがローランサンが一緒ならやると言ったらじゃあローランサンがお姫様で良くね?と男子が彼をお姫様役に推し、あっさり決まってしまった。
因みに、男子二人が主役になってしまったのでいっそ男子と女子で別れてやろうと台本は同じ内容でそれぞれが劇を披露することになった。因みにモニカが女子側の王子役でこちらも王子の衣装を着ている。
「イヴェール、てめぇ…」
「人の気も知らず気持ち良さそうに寝てるお前が悪い。諦めて着てこいよ。」
「俺が着てもキモいだけだろうが!」
「だから面白いんじゃん。」
「お前ら!他人事だと思って!!」
あんまりローランサンが駄々をこねるので、イヴェールはローランサン用のウィッグをばさっと頭にのせ黙らせた。
「…サン。あんまり我が儘言うと、みんなの前でキスシーンやっちゃうよ?」
左手できゅっと腰を抱き寄せ乱暴に被らせたウィッグの髪を右手で一束掴み、目はローランサンを見詰めたまま髪に唇を落とす。
呆気にとられているサンにニヤリと笑ってやる。
(あ、厚底ブーツのお陰でサンより背が高い。)
なんて呑気に思っていたらローランサンから平手で頭をばしんと思いっきり叩かれた。
そのままサンは教室を出て行ってしまった。
モニカが呆れ顔で近付いてくる。
「すごい音したけど、大丈夫?」
「あはは、グーじゃなかったから平気。」
「顔真っ赤にしてったけど、本番のキスシーンはクラスどころか客入れてその真ん前でやるんだけどね。大丈夫?あれ。」
「さあ?喧嘩とかでは勢いよく啖呵切るくせにこうゆうのは苦手だからね、サンは。」
「…ホントにチューしちゃう?」
「えっ本番で?まさか、フリで良いんだよね?」
「フリでいいんだろうけど。すん止めもなかなか間抜けで恥ずかしいよね…。」
ほっぺとかなら許してくれないかな…。とモニカは真面目な顔して考え込んでいる。
確かに微妙な距離で顔を近づけて止めるのなかなかに緊張する気もする。
(でも、相手はローランサンだしな。)
慌てふためく友人を思い浮かべると遊んでやりたくて仕方ない。
(練習中ほっぺやおでこにキスしまくってやろうか。)
ローランサンの受難の日々が始まった。
******************
あれ、学パロなのにイヴェールが元気だ。
オリジナルの方でやろうと封印したネタだったのですが、ここ数日の盗賊ブームに乗っかって小話で出してみました。
このあと渋々衣装着たローランサンがまた似合いすぎてみんなびっくりっていう展開です。
オリオン混ぜたかったけど、オリオン別クラス設定だから……。
モニカはろまんがのモニカが大好きすぎて。
モニカに王子様やらせたら絶対かっこいいよ!!
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