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灰男小話その2



前の記事の続きです。

何だか予想外の方向に進んでしまい後味悪い感じになってしまいました…なのでほのぼのを求めている方はご注意ください。

フラグは……途中で折れました。

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「いやー旨かったな!!」

「厚かましいのもここまで来ると何も言う気が起きねぇさ。」

横でぶつぶつ文句言ってる何処ぞのノアはシカトして空を見上げると重たそうな雲が空を覆っている。
(雪でも降りそうさ……)

そう思うと寒さを思い出して手を擦り合わせる。
すると横でティキが立ち上がった。見上げると、ここで待ってろ。とさっきの通りに向かっていった。
暫く歩いて振り向き、待ってろよ!?そこ動くなよ!!と念を押してまた歩き出した。

(何なんだっつーの)


(つーかオレが何なの…)


最初は警戒していたものの、余りにも下らないやり取りに気が抜けてしまった。
お互いの立場がなければ面白そうな奴に会ったと、わくわくしてもっと話も弾んで良い暇潰しになったことだろう。

(でも彼奴はノアだぞ。)

(仲間を殺して、アレンを殺そうとした。)

今の瞬間だってさっさとこの場を離れるべきだ。何もしないなんて口では何とでも言える。
しかし、飄々としてふざけて見せる様はとてもあのノアとは結び付かなくて。
今の時間がちょっと楽しいだなんて…。


「お待たせ。」

上からの声にはっと我に返ると目の前にティキが立っていた。
ほい。と渡されたカップからは湯気が出ていて甘い香りがする。ココアだ。
オレにカップを渡すとまた横に座り直して自分はコーヒーを飲んでいる。

(何故オレにはココア。……ていうか。)

「アンタ、財布盗られたって言わなかったさ?」

「ああ、金払ってない。行き付けの店でツケてもらった。」

まあ、マスターが丁度お茶してたのを分けてもらってきたから金払うようなものでもないっしょ。と笑ってる。んなわけあるか。
コーヒーは兎も角、少なくともこのココアはわざわざマスターが淹れてくれたものだろう。

貰ったココアは甘さも温度も程好くて、広場の入り口にある喫茶店では何組かの男女が楽しげにお茶をしている。
噴水の周りでは子供達が駆け回っていて、何だか自分が今置かれている状況を忘れそうになる。

「平和だなー…。」

「………アンタがそれを言うのか。」

「なあ、今日が何の日か知ってるか?」

「……………………バレンタイン?」

問われ改めて日付を思い出すと2月の14日だ。病室に引き込もっていたせいか日付の感覚がなかった。
ちょっと、いや…正直かなり動揺した。
外出なんかせずに教団本部に居ればもしかしたら女の子から愛の告白とかうっかりされちゃったりなんかとかうああああ何でオレこの男とこんな所にいるんだっけ。

「愛を誓い合う日だってね。」

吐き捨てるように呟いた隣の男の顔を窺うと目が合った。
にこっと笑うと俺の手から空のカップを取り上げ立ち上がった。

「さて、仕事しに行くかな。」

その言葉に一気に現実を思い出す。コイツはノアの一族で、仕事の意味は……。

「んじゃ、ごちそーさん。雪降りそうだからさっさと帰った方がいいぞ。」

動くことも言葉を返す事も出来ないでいるオレを見て笑うと。

「またな、眼帯君。」

と一言残してまだ賑わっている通りに消えて行った。
少しだけ面白そうな1日になりそうだったのが彼奴の言葉で台無しだ。

(楽しかっただなんて、どうかしてる)

彼奴の仕事の内容なんか知らないが、もしかすると向かった先には教団の仲間が居るかもしれない。
新たなアクマが生み出されるかもしれない。

(なのに、何もしなかった。)


自己嫌悪と後ろめたさと任務に出ている仲間達からの報告が怖くて、教団に戻るとその日はそのまま部屋で寝た。



-----------------------------

え、あれ……。
あれ…?

どうしてこうなったし。


このラビ弱いな。警戒心無さすぎだろ。

ラビならこんな展開が来たら重傷負っていようがティキが友好的な態度をとろうが問答無用でぶっ飛ばしに行きますよね。
アレンに手を出した時点で抹殺決定ですよね(そこか)


後半書いてる途中でそう言えばこれバレンタインネタだったと思い出し慌ててバレンタイン盛り込みました。
いっそバレンタイン入れなければよかったくらい暗い終わりになった。

前回清書した時はギャグで終わってます。
今回何でこんなに後味悪くなったし。
最初のティキの仕事発言のせいですね。前回は確か仕事とか言ってなかった気がする(アバウト)

フラグは立ちそうで立たなかった感じですね。むしろラビに精神的ダメージを与えただけだった。
ティキの意図もわからん。いっそラビに精神的ダメージ与えるために来たのかと思うくらいわけわからん。

ギャグで終わった前回の方が矛盾もツッコミ所ももっと多かったけど、好きだったかなあ。
しかし、今の気分がギャグに向かえなかったんです……。



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