Gris vert
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SH小話
- 2012/05/08 (Tue)
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昨夜一稼ぎしてきたので今日は休みと決めて各々宿で自由に過ごしていた。
朝はゆっくり起き、散歩がてら食料やら何やらを買い込んで来てイヴェールが作った、店を開けると思う程に見た目も味も文句なしの朝食兼昼食を取ったらそれきりイヴェールが寝室に籠ってしまった。
なので一人でナイフの手入れをしたり所持金を数えたり窓から外を眺めたりしていたけれど厭きたので何となくケーキでも焼こうとキッチンに立った。
焼き上がったホットケーキ(本格的なケーキは無理だった)を切り分けて部屋に戻ってもイヴェールはまだ寝室のようだ。
一緒に食べようと寝室のドアをくぐると窓際のベッドに座り何かを書いていた。
(静かだから読書中か寝てんのかと思った。)
「何やってんだ?」
「ん……。」
サイドテーブルに紅茶を置きホットケーキの皿を差し出しながら聞くとイヴェールは今まで抱えていた物を此方に渡して代わりにホットケーキを受け取った。
渡されたものはどうやらスケッチブックだ。開かれたページにはそこの窓から見える風景が描かれている途中だった。
「……え?」
「そう、絵。」
「いやいやいや。そうじゃなくて、これイヴェールが描いたのか!?」
「そうだけど。サン、ホットケーキ綺麗に焼けるようになったなあ…美味しい。」
イヴェールが俺を褒めるなんて滅多にない事だがそれよりも俺はスケッチブックに夢中だった。パラパラめくると半分くらいは絵が描かれていた。
所々見覚えのある風景があるから今まで滞在した街でも描いていたのだろう。
(いつの間に…て言うか普通に上手い……。)
***
夜は飲みに行こうと宿近くの酒場にやって来た。
そこそこ混んでいたので空いていたカウンターに二人並んで腰掛ける。
適当に料理と酒を頼んでカウンターの中の主人と軽く話をしている間、イヴェールはカウンターの角に立て掛けられた楽器を見ていた。
そのイヴェールに気付いた店の主人が楽器をもってイヴェールの前に戻ってきた。
「弾いてみるかい?」
「良いんですか?…古いギターですね。ご主人ので?」
ギターを受け取り少し嬉しそうだ。
「いいや。オヤジの形見なんだが、オレは弾けなくてね。すっかり飾りものになっちまった。」
感触を確かめるように軽く弦を弾く、主人も何処か嬉しそうな顔だ。
イヴェールがギターを抱え直し、俺でも聴いたことのあるような有名な曲を何曲か弾き始めると音楽に気付いた客が一緒に歌い出したり、椅子を引きずってイヴェールの回りに集まりだした。
俺は少し離れて酒を飲みながらその様子を見ていた。
***
しばらく他の客のリクエストに応えたりしていたイヴェールは漸くギターを主人に返し俺の横に座った。
かなりご機嫌のご様子である。しかし反対に俺のご機嫌は少し斜めだ。
「…………イヴェール、お前何で盗賊なんかやってんの。」
「……今更お前がそれを聞くのか?」
「だって、読み書き出来て、頭は良いし、料理上手くて絵も描けて楽器まで弾ける上にその顔ってずるくね!?どう見たって良いトコ育ちの坊っちゃんだろ!!」
不公平だと頭抱えてカウンターに突っ伏したローランサンに苦笑する。
(別に、ローランサンも料理上手いし身嗜みに無頓着なだけで綺麗な顔立ちしてるし、頭の回転も良いと思うんだけど……ただ学ぶ環境に無かっただけで。)
「……何笑ってんだよ。」
じと、と睨まれてしまった。何だか拗ねてるローランサンが可愛くて頭を撫でようとしたらがちがちっと歯を鳴らして噛む仕草をされた。
(威嚇…?)
「いやぁ、全くその通りだなあと思って。」
「…何か腹立ってきた。」
「やだなあ、ローランサンが褒めてくれたのに。」
「褒めてない、ズルいと言ったんだ。」
********************
終われ。
久々に恋しくなったので盗賊。
うちのイヴェサンは盗賊設定と学パロでは立場が逆転します何故だろう。
盗賊設定ではイヴェールさんのが年上で俺様男前です。
盗賊イヴェの知識や技術はサヴァン仕込みです。
学パロではサンが男前になります。イヴェールはメンタルガタガタになります何故。
良かったー、盗賊ブームもう来ないのかと思った…。
盗賊も描きたいことあるのでちょこちょこ描けたら良いな。
でもまた最近絵描いたりパソ触る余裕無くなっちゃったけど……。
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